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云えないこと

プロフィールには明記していないが、あちこちで私が獣医師であることを書いている。
優しいことを書いてはいないので、獣医学的な相談を受けることはめったにないが、あれば受けている。
ただ、質問が個人的なこと、具体的な症状・病気についてであれば、おのれの持つ経験と専門知識から最良の解答を求めるが
一般論や、少し関係のある世論についてのようなものであれば、答えたくとも答えられないことがある。
全くの素人の世間話と、専門家の話では、責任が違う。
例えば、クローン技術や狂牛病について聞かれても、私は答えられない。
専門家の間では、私は小動物臨床の人間として門外漢で通用するが、世間一般の人にとっては自分達より知識のある人間にみえてしまう。
世間話ととらえないで、こういう専門家もいるととらえられると、私が何か云うことで、関係者にご迷惑をかける危険がでてくる。
「李下の冠」は自戒の言葉である。

例えば
逆に迷惑した話だが、
病院に務めている飼い主が、職場の医師に聞いたが、と云ってきたことが何度かある。
正しいことは少なく、勘違いや、飼い主の欲望・願望の押し付けがほとんどである。
ベテラン看護士になると素人の生兵法の危険は承知しているが、
家政婦、掃除婦といった専門知識も専門職の責任の重さもご存じない人にこういう例は多い。
一度など、フィラリア症にかかった犬の飼い主より、
こちらが伝えていたそのこの治療の危険と外科的治療法について、
金目当ての嘘をついた、知り合いの看護婦が治療する薬があると云ったと文句の電話がきたことがある。
具体的な薬の名前は云われなかったから、想像になるが
人にもフィラリア症と呼ばれる寄生虫病があり、治療薬として認められた内服薬がある。
しかしその薬の投与は、犬ではフィラリア陽性犬には生命に関わる禁忌となっている。
他のフィラリア予防薬は人には使わないから、まずこの薬だと思う。
本当のフィラリア成虫駆除は、注射でおこない、死亡の可能性も高い、飼い主にそれなりに覚悟を要求する治療である。
看護士にそのような動物の事情などわかるわけがないし、どこまで説明した上のコメントかは知らないが、素人には同じ専門家にみえたのだ。
二度と連絡はないからその後どうなったのかは知らないが、その看護士に人体薬をもらうにせよ、他院でその話を持ち出して薬を要求するにせよ、よけいな期待を抱かせ、動物に害する罪な一言である。

さて、自分のblogを持つことは、自分の責任範囲での発言を許されることだと思っている。
他人のHPに書き込みにくいことも自分のblogでは書いているが、それでも危険な部分は、「人非人より」のように削除したり、「一知半解」のように新聞社に電話し、不都合の連絡があれば削除しますと伝えている。
責任範囲の認識は個人の判断だと思うが、ネット上で公開する以上、見る人の御意見は尊重したい。
コメント欄もメルアドも公開しているのはその為である。


飼料輸入をしている商社の元社員であることを明記して、BSEや牛肉についてblogに書く御仁がいる。
もともとBSEに限らず、先に私が「一知半解」とエントリーしたような、数個の資料を漁って尤もらしく蘊蓄を書く人だが
BSEと肉骨粉輸入の関係を考えれば、たとえ担当部署は違っても業界人としての反省と責任なしに何かを云う資格があるとは思えない。
これ以上書くなら、古巣に苦情を入れるつもりでいる。これは彼個人の責任で済む問題ではない。
私個人として腹が立つだけでなく、関係業種にいる人間として、
責任ある窓口以外で業界人にとやかく云われることは迷惑を被る。
blogで反論しても聞く人ではないことは、彼に”農業オタク”とあだ名された方のblogをみればわかる。
何度も老人のblogに言及することで、云わないほうがいいことを書き、せっかくの独創的で建設的な論がとびとびになり、もったいないblogになっている。
彼に対し責任ある立場のものを通じて黙らせることは穏当な解決法であると考えている。

以前「ブログについて、このブログについて、雑感」というエントリーに引用いただいたとき、これは御自身でも私のことでもなく、blogranking上位のお二人についてのことだと理解し、専門家としてのハードルの高さを感じない人もいるという言葉でお二人に言及した。
このエントリーは、あのコメントを書き直したものである。

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受信: 5月 13, 2005 21:26

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